今日の日経新聞の社説から。
社説1 年金見通しの想定利回りは過大だ(2/24)
厚生労働省が厚生年金の長期の給付水準を新しく示した。
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この作業は2004年の年金改革法に基づく。政府は原則5年おきに経済の情勢変化をふまえて見通しをつくり直す。今回は最初の見直しにあたり、注目度が高かった。
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今回の仕切り直しでは少子化・長寿化の加速や経済成長の鈍化で、より厳しい姿にならざるを得ない現実を示すべきだった。だが政府はまだ5割保証にこだわっている。出生率と経済指標の前提を「中位ケース」で延ばすと、所得代替率は38年度にかけて50%に下がり、その後2105年まで変わらないという。
このためにとった苦肉の策は、積立金の運用利回りを4.1%と高めに想定したことだ。04年時点の想定は3.2%、実績は01—07年度の平均で2.3%だった。4%台に上げる理由を厚労省年金局は分散投資の効果などを織り込んだと説明するが、どうみても過大だろう。
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また想定した利回りが得られなければ、現行計画よりもっと保険料を上げたり給付を抑えたりする必要性が高まる。その影響はすぐに表面化しないので、しわ寄せは現役世代に及ぶ可能性が強い。このように、過大想定の被害者は主に今の働き手やこれから生まれる世代になる。
金融市場の混乱で積立金運用の利回りを高く想定した確定給付の企業年金が損失を被り、母体企業の業績に悪影響を及ぼしている例もある。その失敗に政府も学ぶべきである。
finalventさんも書いてるけど、まさに 「まとも」な社説だと思う。というか、この想定利回りを出してきたお役人はどういうつもりなのだろう。4%台の利回りと聞いて、「政府にはそれだけの能力がある」とか、「凄腕のファンドマネージャー官僚がいる」と思う人なんているのかな?
更に、略しちゃったけど、専業主婦のいる世帯を標準世帯としたりしていて、もうどこの星の話だよ、って感じ。一体誰に向けた発表なんだろう。その手がかりは、政府の能力を非現実的なまでに高く評価していて、女性が専業主婦になることを当たり前だと思っている人たちってことだ。そういう人はもしかしたら、この想定を評価するのかもしれない。
少なくとも僕の回りにはそんな人はいない。だから僕らに向けられた話では無いんだろうと思うことにする。どうせ僕ら二等国民には関係のない話さ。