2010年1月1日金曜日

短め書評・高橋洋一 竹内薫『鳩山由紀夫の政治を科学する 帰ってきたバカヤロー経済学』

 あけましておめでとうございます。今年も本ブログ、まったりいきますんでよろしくお願いします。

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鳩山由紀夫の政治
を科学する
高橋洋一
竹内薫
 高橋洋一氏といえば、小泉政権から安倍政権のときに大活躍して注目を浴びた元財務官僚。彼が注目されるのは理系な経歴を持ちながら経済学はもちろん、政治のもやもやしたところにも明快な説明をしてくれるところにあるのだと思う。今回の本は『バカヤロー経済学』の続編であり、前回同様サイエンスライターの竹内薫氏との対談形式で、民主党政権をきれいに説明してくれる。僕は『バカヤロー経済学』は未読だけど、本書、とても楽しめました。

 民主党が政権を取ってみて見えてきたのは、自民党ってそれほどすごくなかったね(すくなくともここ最近は)、ということだと思う。なので日本国民が本当に決めなきゃいけないのはどの政党を選ぶかではなくて、結局何がしたいのか、だったわけだ。

 で、国民が望むことがあったとして、ではそれをどう実現しましょうか、となる。そこで政党の出番となるわけだが、政党というのは当然支持者のいうことばっかり聞くので、民主党・鳩山由紀夫政権を理解しようとすればその支持者を理解しなきゃいけない。

 本書は民主党の支持者を起点にして、党内、閣内の人事、財源など、民主党の行動を科学的に分析している。つまり鳩山政権の振る舞いを妥当な根拠でもって説明しているわけだ。そしてやっぱり、高橋氏の明快さは今回もまた炸裂している。

 一番のポイントは、何をムダと定義するのか、ということですよ。でね、基本的には「自民党にとって有益でも、民主党にとっては有益でないもの」が全部、ムダと定義されるんです

[p.119] 強調は原文ママ

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