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2008年12月19日金曜日

今日、

不思議な別れがあった。お互いに探って探って別れたという感じだった。残念だし寂しい。だからこれで良かったと思うわけでもない(思わないわけでもない)。けど、この別れがなにかの証しであるような感覚がある。道が続いていることの確証であるかのような。

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蟲師
漆原友紀
蟲師というマンガが終了した。大好きな作品だったから残念だし寂しいのだけど、今日経験した別れのような不思議なさわやかさがある。

蟲師・ギンコの旅は、第1話と同じようにつづいているのだろう。また出会う、という思いとは違う。でも、ああ、そうか、人の歩いている道は同じ道だったんだ。その証しだったのかもしれない。

数ヶ月前からpreciselyに予告されていたような、それでいて突然の、予期できない別れだった。

2008年10月22日水曜日

マンガ『サナギさん』

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サナギさん
施川ユウキ
僕の大好きなマンガが終了しました。『サナギさん』です。作品の完結は残念。もっと読みたかった。

何がそんなに好きだったのか、作品が完結した今、改めて考えてみました。

ある本*1に、「不安は身体の中にいる一体の動物のようなモノだから、そいつが騒いだからといってパニックを起こすな」みたいなことが書いてありました。その文を読んで以降よく思うのが、「自分が不安を感じているときは、じっくり観察ができていない」ということです。不安を感じている時の僕は、人や出来事に点数を付けることに忙しく、何が起こっているのか全く見えていないのです。「そいつが騒いだからといってパニックを」起こしているというわけです。

サナギさんやフユちゃんならどうでしょう。彼女たちなら、仮に人より劣っていると感じたとしても、パニックを起こして自分より劣っている人を一生懸命探したりしないでしょうね。どう考えても。あの二人なら、そもそもの優劣の基準とやらがどれ程のものか、のんびり観察し始めるんじゃないでしょうか。

僕の好きな例え話に「黒い白鳥」*2があります。黒鳥の存在は、オーストラリアが発見されるまでヨーロッパ人には知られていませんでした。なので、そこでは「白鳥=白い」は当たり前のことだったわけです。もし「白くない白鳥がいるかもしれない説」を唱えようものなら、アホ扱いされたのは間違いなしです。でも黒鳥はそんな時代にだって生きていたわけですから、間違っているのは「白鳥は必ず白い」、という人のほうだったのです。この話は何が言いたいのかというと、たとえ1万羽の白い白鳥を見た事があったとしても、黒鳥が存在しない理由にはならない、ということです。

「白くない白鳥がいるかもしれない説」唱えまくりの世迷い言フレンズ・サナギさんとフユちゃんは、「世の中そんなもん」とか言っちゃう事のバカバカしさを教えてくれました。だから僕は、世の中をのんびり観察していこう、「白くない白鳥がいるかもしれない」と言い続けよう、と思うのです。ぴょんごりして死ぬその日まで。

追記(11/7):たまごまごさんに取り上げていただきました。リンク先は『サナギさん』ファンの色んな思いが集まったエントリーです。是非どうぞ。

*1  Laura Day "Welcome to your crisis"

*2  この話はナシーム・N・タレブ『まぐれ』、同じ著者の"The Black Swan"(未邦訳)に書かれています。追記(11/7):「つーかポパーだろ?」とのツッコミを直にいただく。はい、そのとおりでございます。この例え話のオリジナルはカール・ポパーです。でも読んだことないのでどの本に載っているのかは知りません。無学なワタクシ。

2008年8月12日火曜日

書評・マンガ・『きのう何食べた?』

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きのう何食べた?
よしながふみ
よしながふみ『きのう何食べた?』を読んだ。スゲー面白かった。二巻はまだか。

四十代同棲ゲイカップルの話で、弁護士と美容師の二人。ゲイも大きなテーマだけど、タイトル通りに、料理もテーマ。弁護士のシロさんが料理をつくるのだけど、彼は料理好きである一方お金大好き人間でもあるので、用いる食材はたいてい底値で買ってくる。

その他にも、シロさんは典型的なoptimizerで、生きてて楽しいのかな、と思わなくもない。optimizerとは何かといえば、そのときそのときで、最大限の効用(まあ、利益、でしょうかね)を得ようとする人、といった感じでしょうか。optimizeで最適化する、みたいな意味ですよね。この手の人たちが見落としてしまうのは、自分にとっての効用、利益、プラスになること、が他人のそれとは違うかもしれない、ということ。だから最も効率の良いやり方が、最も自分にとって良い、と思い込んでいる。しかも、情況が変われば最も効率の良い状態もどんどん変化するので、人は気がつくと50年くらいoptimizerを続けてしまったりするようだ。ま、簡単に言ってしまえば世間体に縛られているんです。

ところが一方で、シロさんは6時になったら何が何でも仕事を終えたい人でもある。収入もそこそこで構わない、とか言ってみたり。ここらへんはsatisficerなわけだ。satisficingを調べてみると、英語のウィキペディアにこうある。

Satisficing (a portmanteau of "satisfy" and "suffice") is a decision-making strategy which attempts to meet criteria for adequacy, rather than to identify an optimal solution. A satisficing strategy may often be (near) optimal if the costs of the decision-making process itself, such as the cost of obtaining complete information, are considered in the outcome calculus.

要旨:この語はsatisfy(満足させる)とsuffice(十分である)を合体させた語で、意思決定の際に最適な答えを見つけようとする代わりに、妥当な答えを採用することを指す。で、結局satisficingな答えが最適だったりすることも多い。だって、なにがなんでも最適な答えを見つけようとすると、コスト(完璧な情報を仕入れたり(不可能)、結果を予測するために計算したり(無意味))がかかるから最適じゃなくなってしまうんだもの。


satisficingという視点からみると、シロさんの底値買いは実に不可解ではある。料理好きなんだから底値を待って食いたいものを我慢するなよな、と思う。明日交通事故で死んじゃうかもしれなんだぜ。いやいやそうじゃなくて、底値で買うというのは最適化するためだ。旨い、好きだ、という価値よりも安い、という価値を優先させている。だからシロさんはきっと、最適化のコストを支払っている。それは食べたいものが食べられないことだったり、なんか急に空しくなることだったり。

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"Fooled by
Randomness"
Nassim N. Taleb
Talebの"Fooled by Randomness"を読むと(邦訳『まぐれ』を人にあげてしまったので原書を参考にして)、satisficerたちは、何かを経験したからといってゴールや欲しいものを変えたりしないんだそうだ。だからアレを手に入れたら次はコレ、みたいなことにはならない。でもoptimizerたちは強欲だ。アレを手に入れて、しかもコレも手に入れれば、もっと良くなる、と信じているから。なので、シロさんのどん欲な底値買いは、彼の幸福を遠いものにしてるんじゃなかろうか。

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まぐれ
ナシーム
・N・タレブ
optimizerとsatisficerが一人の人間に同居することは、ままあるんでしょうけど、シロさんはかなりoptimizerが勝ってる感じかな。パートナーのケンジはsatisficer100%って感じだけども。

僕の好きなエピソードは、シロさんの昔の女の話。周りに流されてなんとなく女性と結婚して子供つくって、という人生を歩んでいたかもしれない。でもゲイであることは変わらないから、浮気してみんな傷つけて。そう思うとぞっとする。オレ、それくらいできちゃいそうだったから。こう語るシロさんに共感する大人は多いんじゃないかな。ゲイ関係なく。

ところで、シロさんが弁護士だと知って思い出したのは、"Will & Grace"のWillだ。もうなんか懐かしくっていろいろ観てしまった。やっぱ面白いなー。これはアメリカのドラマ(sitcom=シチュエーションコメディ)で、NHKで「ふたりは友達? ウィルアンドグレイス」として放送してて、僕もその放送で存在を知ったんだけど、折しも韓流ブームの始め頃で、第二シーズンで放送終了だったはず。ホントは第八シーズンまであって、最終回は実にガッカリな内容だったけど、それでも最後まで本当に面白いドラマだった。で、そのWillが弁護士でゲイなのだ。料理も結構してた。やっぱシロさんのモデルはWillなんだべか。

Willの台詞でよく覚えているのが、Thanksgivingのお祝いで、Willが実家に帰ると、兄夫婦も来てる。兄は(Willも)早く帰りたがっていて、Willに「お前が残れ、お前はゲイだけど、オレには家族が、責任が」みたいなことを言う。Willが文句を言うと、「お前はゲイであることを選んだんだから母さんの相手をしろ」的なことを言う。で、Willが "My being gay is more than choice!" と言い返す。ゲイは選んでなるものじゃない。でもこれってゲイだけの話だろうか。satisficerになるための秘密が、ここに隠されている気がする。

2008年3月6日木曜日

manga I bought.

I bought the 49th "One Piece", the 9th "Mushishi" and 6th "Moyashimon".

One Piece

I thought this Thriller Bark arc was a bit boring. there were so many tantalizing hints. but on this volume Oda-sensei punched in me to straighten me up for One Piece.

You will see the strraw hat pirates in one piece.


Mushishi

The best as usual.

They feel being not accepted while they don't notice. Ginko knows it.


Moyashimon

I didn't have any expectation for the France arc of Moyashimon. but it turns out as a bunch of nice episodes although Tadayasu's ability was still in deep sleep.

2008年3月2日日曜日

Mushishi and Moyashimon!

I bought vol.9 of Mushishi and vol.6 of Moyashimon!

As usual Mushishi is the best.

I didn't have great expectations for the Paris arc of Moyashimon. But it turns out as a bunch of good episodes although Tadayasu doesn't efficiently use his ability yet.