木田元『反哲学入門』
面白かった。ソクラテス(以前)から順を追って「哲学」とは何か、を解説していく本です。とはいえ200ページとちょっとの本ですから、歴史上の主要な哲学者をとりあえず並べることさえせず、木田先生の考える俯瞰像のさらに入門編となります。口述筆記ということで、思い切りはしょってしまったのがとても良い効果をだしてます。
全体を貫くテーマとして「理性」があります。木田先生はこの「理性」というアイディアを西洋に産まれた特殊なものとして説明します。そして「理性」が揺るぎないものであると信じる人たちと疑う人たち、アイディアそのものを否定する人たちが描かれます。また、それが西洋に独特なものであるが故に、日本人には容易に理解できないものであるとも語られます。
そのような「理性」ですから、当然、キリスト教とのつながりも深いわけです。プラトンの考え方がどのようにしてキリスト教と接続されたのか。こんなこともサラリと説明してくれます。
全体をざっくり把握できるというのは単純に気持ちがいいもの。全体を把握していると物覚えもよくなるそうですし、哲学に悩まされている(いた)方は是非どうぞ。
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