(1) 総合指数は平成17年を100として99.3となり,前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.1%の下落となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は99.2となり,前月と同水準。前年同月比は1.2%の下落となった。
(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.4となり,前月比は0.1%の下落。前年同月比は1.1%の下落となった。
総務省統計局のページ
何度も言われていることだけど、広く知られているとはとても言えないことと言えば、CPIには上方バイアスがあるってことだろう。なんといっても管大臣も知らなかったし。CPIはだいたい1%くらい大きめの数字が出てしまうというクセをもった指標だ。なので、三つのカテゴリーすべてで前年比マイナス2%というのが実情に近い数字だと思われる。つまり絶賛デフレ進行中だ。
とはいえ、アメリカのコアCPIも前年同月比+1.3%ということなので(参照)、日本だけが苦しいわけでもないけど、日本だけがブッチギリでダメだ。
デフレがなんでヤバイのかというのも何度も言われてきたことではあるけれど、その理由の一つが、借金が増えてしまうということだ。デフレはお金の価値が上がる現象だから、例えば今日の1万円でりんごが十個買えたとすると、明日は二十個買えちゃったりするわけだ。これを借金で考えてみると、今日1万円の借金を返すのにりんごを十個売らなければならないとして、明日になると二十個売らなければ返せなくなってしまうということになる。
責任、責任とかいって景気対策を拒んできた日本だけど、その間、国の借金は不当に増えてしまった。国が借金をして医療費や年金の支払にあてるのはしようのないことだと思えても、何もしないが故に現役世代の負担が増えるのは理不尽極まりない。
いつの時代も政治力を持っているのは中高年以上の人たちだと思うけど、彼らはその辺のトコロどう考えてるんでしょうか。
追記(2010/April/14):CPIの上方バイアスについて、zajujiのお馬鹿ぶりがあらわに。コメント欄をみてください。
通りすがりですいませんが、気になってしまったもので。
返信削除CPIの上方バイアスについてなのですが、様々なところで「1%くらい大きめの数字が出てしまう」という意見をよく聞きます。
最近また聞くようになったのは自民の山本幸三議員が国会で持ち出したからだと思いますが、これ多分日銀の白塚重典氏の推計(0.9%)から来ている数字ですよね?
しかしあの推計は「多くの大胆な仮定の上に試算した結果で」あり,「数値は,必ずしも精度の高いものではないとの点は十二分に念頭におく必要がある。」と本人が書いていたと記憶しています。
例え「大胆な仮定」が全て当たっていたとしても、推計が発表されたのは1998年で、CPIが1995年基準だった時の事です。
あれからもう2回も基準改定があり、ヘドニック法も一部の品目で採用され、中間年見直しまで始まってるわけで、当時とは全然状況が違ってますよね?
実際白塚氏本人が2005年に「上方バイアスは、縮小方向にあると考えられる。」ってペーパー書いてますし、そもそも「CPIの上方バイアスについては、その大きさを固定的なものと考えることは適当でな」いと書いてます。
いつまでも0.9%という数字が一人歩きしている事のほうが問題ではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
白塚氏以降、CPIのバイアスについての研究を聞かないほうが問題かもしれませんが・・・(私が不勉強で知らないだけでしょうか)
Agitさん、コメントありがとうございます。
返信削除今回のご指摘、正直目の覚めるような思いです。CPIは不可避的に1%高めに出るものだ、というのが僕の理解だったので、実にアサハカだったと、もうホントに恥ずかしいです。
そこで少しですが調べてみたのですが、おっしゃる通り、白塚氏の報告以降に行われた改善の検証は見つけられませんでした。
重要な改善が行われたので、誤差の範囲は狭まったとみていいと思いますが、それがどの程度なのかはよく分からない、という印象を持ちました。
「いつまでも0.9%という数字が一人歩きしている」というAgitさんの問題意識も、その通りだと思います。この数字を掲げている限り、日銀が「誤差は狭まっていると総務省が言ってた」といえば議論が終わってしまいかねないので、この件で日銀を批判するのは筋が悪いように思えます。